大地と子どもを守る会
秋田県鹿角地区で放射能汚染から子ども達を守る会が立ち上がりました

武田邦彦さん瓦礫問題の整理

鹿角にも、講演に来てくださった武田先生が瓦礫問題について整理してくれました。

こう質問されたら、鹿角市はどう答えてくれるでしょうか。


瓦礫問題を再び整理する・・・明らかにして欲しいこと



瓦礫問題がこじれている。日本は「民主主義」だから、「実施する方は説得する努力」が必要で、「判らない奴は黙れ!」などという人は日本から出て行ってもらいたい.民主主義を育てるには、面倒でもキチンと説得する力が必要で、民主主義では説得がイヤな人は実施側の担当を止めた方が良い。


今、瓦礫のことを心配している人を説得するには次のことを誠意を持って説明することだ。


1) なぜ2300万トンの瓦礫の内、400万トンだけを広域処理(被災地以外の処理)をしなければならないのか。もし1900万トンを10年で処理するとすると、それが12年に伸びるだけであるし、もし被災地が望んでいる「新しい処理施設」を2割ぐらい作ると、それで解決する.なぜ、簡単に思われる「被災地処理」をせずに、多くの人の心配を押し切るのか?(今の説明では「思想的指導」、あるいは「被災地以外で心配している人をいじめる」ことが目的ではないかとも思われる.) 説明さえされていない。


2) 瓦礫の汚染度をどうやって特定するのか。焼却灰は1キロ8000ベクレルと決まっているが、比較的、均質なので測定することも可能だが、瓦礫はどうするのか? 1キロ1万ベクレルを超えていれば、法律上「放射性物質」として扱わなければならないが、瓦礫のどの部分がそれに当たるかを特定する方法は無い。法律では「平均」は関係が無い。


3) 瓦礫の基準がセシウムだけだが、ストロンチウムやプルトニウムの基準がない。プルトニウムの毒性については議論があるが、多くの人がプルトニウムが焼却炉からでて肺に入ることを心配しているのだから、「おれは知らない」という態度では不安は消えない。


4) セシウムは「金属セシウム」の沸点が640℃程度で、金属としては水銀に次ぐ揮発性の金属である。焼却炉は一般的に酸化雰囲気だが、一部、還元雰囲気で運転される(炭素が多い場合)。金属セシウムのガスについての説明がない。また酸化雰囲気で酸化セシウムができるとさらに沸点は低く250℃だ。焼却炉の温度は1000℃から1200℃程度だから、「セシウムは粉ではなく、ガス」の可能性が高いのに「フィルターで除く」と言っている。ガスはフィルターではとれない。日本は科学技術立国なので沸点の説明はいる。


5) 「危険か安全か」を議論するときには、「平均」を使うことはできない。障害者は「平均で障害を受ける」のではなく、バラツキの危険側で障害を受けるからだ。つまり、「上限」だけが意味があって「平均」は危険性を議論するときには何の意味もない。この世には「統計学」という学問があり、少なくとも3シグマ(全体の99.7%の人が外れる)を「安全」の境界としなければならない。それでも1億人で30万人が被害を受けるという基準になる。日本は科学技術立国であるので、統計的処理の結果を説明しなければならない。




6) (これは何回か言っていますが)今回の原発事故で漏れた放射線量は政府発表でも80京ベクレルで膨大。これが日本全体にまかれたら日本人は日本列島に住むことはできない(一人平均80億ベクレル程度になるから)。国家の計画は最初の基本を決めて、それに応じた個別の計画でないと、最終的に国家がどのようになるか判らないし、それで専門家がOKというわけにはいかない。


瓦礫の問題がこじれるのは、「ヒステリックに瓦礫の危険を叫んでいる人」にあるのではなく、「黙れ!と言って、相手が納得できるような肝心なことを説明しない人」にあり、それは日本の指導者が民主主義を信じていないことによると思う。


「takeda_20120311no.450-(8:56).mp3」をダウンロード






(平成24年3月11日)





武田邦彦


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